半月板は膝関節においてクッションの役割と、膝を安定させる役割を担う軟骨組織です。
これが膝への強い衝撃や大きな負担、靱帯損傷の合併症などで損傷してしまうものが、半月板損傷です。
症状
半月板を損傷している場合、次のような症状が現れます。
- 膝が腫れる
- 膝の内側、もしくは外側に痛みがある
- 膝をまっすぐ伸ばせない
- 正座やあぐらができない
- 何かひっかかるような違和感を感じる
など
ロッキング現象
半月板損傷で特徴的なのは、激しい痛みとともに、膝が動かなくなってしまうロッキング現象です。
突然の痛みとともに、膝がロックされたようにある角度から動かなくなってしまいます。
これは損傷した半月板が膝関節の間に挟まってしまった状態です。
ゆっくりと曲がる方向へ動かしているうちに、外れてきますが、痛みがひどい場合は医療機関を受診しましょう。
原因
半月板損傷は、膝への強い衝撃や大きな負担が原因で発症することがほとんどです。
外傷
スポーツでのケガが原因となるものがこちらにあたります。膝に体重が加わっている状態でのひねりや衝撃が原因になります。
また、靱帯損傷と合併して起きる場合もあります。
加齢
こちらは加齢によって半月板のクッション性が低下した結果起きるものです。
半月板は年をとるにつれて変性していきます。加齢により水分量が低下することで、クッションとしての役割が衰え、少しの衝撃で損傷・断裂してしまう事があります。
40歳以上になるとかなり水分量が低下しますので、注意が必要です。
治療
半月板損傷は症状によって必要な治療が変わります。
保存療法
軽症であれば、外固定や装具、松葉杖歩行での安静をとり、痛みを和らげるためのリハビリテーションをしていきます。
安静にし、関節内注射をする場合もあります。
手術療法
痛みがなかなか引かず、長引いた場合や、ロッキング症状を繰り返す場合は手術をすることも考えられます。
具体的には半月板を切除したり、損傷した部分を縫い合わせるなどしていきます。
切除手術
切除手術では、術後早い段階でリハビリに取り組んでいきます。
切除する面積にもよりますが、クッションがなくなってしまった状態ですので、関節にかかる負担が大きくなってしまうのです。
切除手術を受けた場合は、退院後も継続的なストレッチや筋力トレーニングをしましょう。
縫合手術
裂けてしまった半月板で縫うことができる部位であれば縫合することで、本来の機能を取り戻していけます。
ただし、術後は膝に負担をかけないようにするため、その後のリハビリでは衰えた筋力を取り戻すことに苦労します。
いずれの半月板損傷でも将来的には変形性膝関節症になりやすくなってしまいます。